かつて、扇子は夏用と冬用とに別れ、それぞれ儀式で使われていました。
しかし、この使い分けはこのように単純ではなく、時代とともに様々な用途が生まれます。
時代劇などでも時折扇子が出てきます。
京都の老舗!→京扇子の井ノ口松寿堂
公家系なら、話すとき口を隠す仕草に使ったり、武家なら能を舞うとき、あるいは部下を叱るとき、または、宴会のような席で口上を述べるときなどです。
メモと言うと聞こえがいいですが、要するに平安時代は「あんちょこを読む=口元を隠す=上品さ」という図式だったのです。
メモを書いた紙を読むよりは遙かに品がありますし、大口を開いて笑いはしなかったでしょうが、その口元をしとやかに隠すなどという仕草を演出する。
パタパタとは煽がない。
もっとも当時の扇子は30cm程もあり、煽ぐとするとワサワサと言うイメージかもしれません。
武家から庶民が使うようになって様変わりしましたが、本来の「煽ぐ」目的に使われた場合の世俗的な記録は残っていません。
しかし、手間が掛かる分高価な扇が携帯用団扇になるのは、大量生産によって価格が下がった近代になってからです。
このコーナーでは、扇子の主だった用法とについて述べていきます。